先日私は、こんなツイートをしました。
朗報!
【高校野球】日本高野連が“飛ばないバット”実打撃試験実施「打球の伸びがない」「木に近い」(スポーツ報知)#Yahooニュースhttps://t.co/gCDSHvgU7e— まっちー@少年野球コーチしたくて脱サラした32歳 (@Smatch30) September 5, 2021
良かった!本当に良かったです。
人知れず日本の野球界のことを憂いていた私は、心から安堵しました。
「飛ばないバット」の導入の、何が朗報なのか?
もちろん、「投手を打球から守る」といった安全面が1つですが、それ以外の理由についてお伝えしていきます。
お子さんが小中学生で、今現在野球をやってるという人。
野球界に、かなり明るい未来が待ってますよ。
「飛ばない」こと自体が朗報というわけではない
打球の飛距離が出にくくなったり、打球の平均速度が下がること自体は、良いコトではありません。
そりゃあ、バッター目線で考えたら「なんで『飛ばないバット』なんて導入すんのよ?」と思いますよね。
朗報なのは、これまでの「打者が圧倒的に有利」だった高校野球が大きく変わるという点です。
具体的にどう変わっていくかというと、以下の2点が真っ先に挙げられます。
朗報である理由①:投手の負担が減る
「飛ばないバット」の導入で予想されるのが、投手起用の変化です。
というのも、高校野球はこれまでの打者有利な環境で「負けられないトーナメント戦」を勝ち抜かなければなりません。
負けられない→特定の投手に頼らざるを得ないのが、多くのチームにとっての現状でした。
特に公立校とか、部員数・投手数の少ないチームはエース一人で投げ抜くことは、ザラです。
代表例が金足農の吉田投手
みなさんも、よく覚えてますよね?
2019年夏の、金足農業の吉田輝星投手(現:日本ハム)。
あれが典型例といえます。
酷暑の1か月間で、県大会から甲子園準決勝まで10試合連続完投なんて、本来なら正気の沙汰じゃありません。
決勝(VS大阪桐蔭)なんて痛々しくて、観てられませんでした。
でも勝ち抜くには、吉田投手以外に選択肢が無かったんだと思います。
そんな狂った状況に追い込んだ元凶が「高反発バット」だったんです。
投手起用が変わる
想像してみてください。
対戦相手の強豪校の選手たちが、当たれば「バビューン」と飛んでいくバットで襲いかかってくるんです。
本来なら好投手であるはずの「球速120~130km/hで、コントロールが良い投手」では、太刀打ちできない!
でも、木製バットに近い「飛ばないバット」なら、高校野球の世界が変わる!(数年前流行った、某ルーペのCMの渡辺謙さん口調)
投手起用も、3番手4番手といわれる投手の出番が増えるのではないでしょうか。
朗報である理由②:「強く振る」ことが必要になる
「飛ばないバット」は、打者にとって、今までのスイングでは飛距離が出なくなることを意味します。
となれば、強く振る努力がより一層必要になるのは間違いないです。
これまでも多くの高校生が、練習は竹や木のバットでやってました。*ちなみに低反発バットは、竹や木よりも飛ばないです。
大学・社会人・プロといった「上のステージ」の話にはなりますが、将来のことを考えれば、練習だけではなく公式戦から「飛ばないバット」で、かっ飛ばす努力は必要です。
諸外国の子どもたちは木製で鍛えている
そもそも、日本以外の国では、ジュニア世代から木製バットや木製と同じ反発基準の金属バットを使っています。
バットの性能でアドバンテージを得ているのって、たぶん日本だけなんですよね。*日本以外の事情は、分かりませんが・・・笑
外国人バッターのパワーの源泉は、木製=飛ばないバットにあります。
飛ばないバットで目いっぱい振り続けるんです。
もちろん空振り・三振を量産します。
でも、それでオーケー!
成長とともにスイングも打球も鋭くなっていき、高校年代あたりで日本の同世代を追い抜くんです。
「飛ばないバット」の導入で、日本の高校生が同世代の外国代表チームと互角に渡り合えるようになることが予想されます。
「飛ばない」と言っても、木製バットと同じ反発基準
「飛ばないバット」といえども、木製バットと同等の反発はあります。
強く振れて、芯で捉えられれば、ヒットはもちろん、ホームランだって打てるんです。
これまでよりも、「飛ばないバット=バッティングの難易度が上がる」という話であり、それが野球の本来の在り方なんですよね。
懸念事項もある
バントなどの小技ばかりの野球になってしまわないか、という心配があります。
勝利至上主義の指導者が
「このバットの反発じゃあ、お前たちは遠くに飛ばせない、長打は期待できないからコツコツ当てなさい」
とか言い出さないことを、祈るばかりです。
プレーヤーなら誰だって、長距離ヒッターに憧れます。
努力によって全員が長距離ヒッターになれる保証はありません。
保証はありませんが、努力する価値はありますよね。
全国の指導者さんにも、「強く」「飛ばす」努力の後押しをしてもらいたいです。
少年野球も「飛ばない」バットでいい
私は、2021年3月にも、このようなツイートをしていて、これが現状の少年野球界に対する私のホンネです。
「少年野球でバットに¥40,000近くかかるのってどうなのかな…」と思います。
「お金でヒットを買う」という人もいますが、それはおじさん達の趣味=草野球でいい。
これから大きく成長する子どもたちに「軽く振っても当たれば恐ろしく飛ぶ」ってのは覚えさせたくない。
*かなり個人的な意見です— まっちー@少年野球コーチしたくて脱サラした32歳 (@Smatch30) March 13, 2021
複合バットを愛用するお子さんと、その親御さんには申し訳ないですが・・・
ギガキング?
そんなバットに頼ってる時点で、その選手はギガでもキングでもねーよ。
レガシー?
複合バットの何がレガシー(遺産)だよ?
遺産は遺産でも、日本野球における「負の遺産」じゃねーの。
以上が私のホンネです。
また、別記事でも、私が複合バットを完全否定する理由を解説しています。
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言わせてください。小中学生に高反発バットは悪影響です。
続きを見る
複合バットは、オッサン達の道楽に使いましょう。
ゴルフでいう、ドライバー・ウッド・アイアンのように「(努力せず)お金で結果を買う」、それが大人(オッサン)です。笑
そして日本の野球少年たち!
ギガキングなんて、捨てちまえ!(ちょっと暴論ですかね。笑)
「飛ばない」バットでも強く振って、遠くに飛ばすことを努力によって身に付け、マジもんの強打者になろうぜ!
西武の森友哉選手(身長170cm)や、MLBアストロズのアルテューベ選手(同168cm)のように、小柄でも強く振れれば、球界を代表するスラッガーになれます!
ちなみに、現時点で「打てない・・・」という野球少年少女向けに、こんな記事も良かったらご覧ください。
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どうしても打てない野球少年少女と、そのコーチや親御さんへ。
続きを見る
まとめ
今回のポイント
・「飛ばないバット」は投手を守る
・「飛ばないバット」で飛ばす努力をすることで、日本全体のレベルが上がる
・小中学生たちも、「飛ばないバット」で鍛えましょう!
今回は以上です。