
自己紹介
・6歳から野球を始め、中学/高校も野球部所属
・全てのカテゴリで理不尽さや不遇さを経験
・2019年~:卒団したチームのお手伝いとして復帰
・2020年8月~:臨時で「背番号28」のコーチ
・2021年~:正式に「背番号28」のコーチ
・選手には「自分が経験した嫌な思いをさせないこと」を心掛けている
少年野球の指導者の中でも
- 子どもたち(選手)にどう教えていいか分からない
- 良い指導者になりたい
- 監督、コーチとして自信が無い
- いくら技術指導してもうまくいかない
- 自分に指導技術があるかギモン
- もっと良い指導方法はないのか?
といった悩みに役立てればと思います。
結論としては、「教えない」のがベストであるということです。
こう言うと
『一言もしゃべるな』ってこと?
と言われそうですが、それは違います。
「教えずに、それでいて選手の意識が変わるような仕掛けをする」というニュアンスです。
いまいち「ピン」と来ないですよね?
記事を読み進めてもらえると、大まかに分かると思いますし、それで充分です。
大まかにでも分かってもらえると、あなたが野球の指導で悩んだり不安があれば、その解決に役立つはずです。
そして、指導技術に関係なく、野球のコーチングに自信がつくと思います。
前提として
まずもってお伝えしたいのは、
× 指導者・指導
〇 コーチ・コーチング
という前提で話を進めていきます。
世の少年野球の監督/コーチは自分を「指導者である」と自負し、指導者というフレーズに縛られている気がします。
指導者という表現の本質を理解して使っている人って少ないのではないでしょうか?
あなたも「教えなきゃ」「指導しなきゃ」って雁字搦め(がんじがらめ)になってませんか?
「教える」は監督/コーチの必須項目ではありません。
こんな出来事が
ここから私の実話です。
現在コーチをしているチームに、偶然にも、私と同じ名の「しんのすけ」という選手がいました。
彼の特徴は
・小学1~2年生頃、野球を始めたらしい
・私と出会ったのは4年生の冬
・私と出会うまでに色んな人から散々フォームを指摘されてきた
・独特の打撃フォームである
・鋭いスイングをする
・脚が早く、運動神経も良い
しんのすけ君は打撃フォームが独特であるせいか、高めのボールが苦手でした。
他の指導者は苦手=弱点を克服させようと、こぞって独特のフォームの「修正」を試みました。
しんのすけ君もアドバイスを一生懸命聞きながら取り組んでいました。
それでも上手くいかず、成果が出ませんでした。
そういった影響もあって、試合で起用される打順も下位打線。
凡退する度に「フォームの修正」をされてしまうので、積極的に打つことも少ないような状態でした。
なにより、この時のしんのすけ君はツラそうでした。
しかし、私はあることに気づきました。
指導者たちも「あいつ、時々良いバッティングするんだよな~」
と薄々は気づいていましたが私の場合は明確に気づきました。
そのことをあえてしんのすけ君には教えず、別の方法でアプローチを試みました。
私がやったアプローチ
2020年7月のある日の打撃練習終わり。
しんのすけ君に声を掛けました。
この時も、他の指導者に「もっとバットの位置を…(以下略)」
とフォーム修正レッスンをマンツーマンで受けて、少々気が滅入っている様子でした。
以下、しんのすけ選手とシンノスケコーチ(私)の会話です。






翌月以降の彼のバッティング
新型コロナによる対外試合休止が8月にようやく明けました。
しんのすけ君のバッティングはというと、
試合でのヒット数がチーム1・2位を争うほど増えました。
しかし、打撃フォームは独特なままです。
再度、しんのすけ君に声を掛けました。


何をつかんだのか?
・低めの球が得意であることに気付き
・苦手の高めには目もくれず
・得意球を狙い
・持ち前のシャープなスイングで
・迷いなく振り切る
という感覚をつかんだのです。
元々スイングは鋭いんですから、積極性が出るだけで、彼が打てるようになることは目に見えてました。
このことは、しんのすけ選手とシンノスケコーチだけが共有しています。
結局何をやったのか?
私がやったことは、ひと言・ふた言「声を掛けた」だけです。
これが記事の序盤(前提として)でお伝えした、
「指導・指導者」と「コーチ・コーチング」の違いです。
コーチとして、選手本人がどうやら気づいていない部分を気づかせ、前向きになるような仕掛け(ここでは声かけ)をやっただけです。
ここで必要なのは
ポイント
・よく観察する
・良いところを探す
・タイミングを見計らって会話をする
・タイミングは「困ってる」「悩んでる」「ツラい」のが見て取れるとき
こうしてリストアップするとコーチのタスクって少ないですよね?
それで良いと思うんです。
フォーム修正とか技術指導とか、そんなの必要無い。
選手が前向きに取り組む環境が作れれば。
あとは、選手自身が勝手に成長していきますから、その都度本人が気づいていないことを伝える、この繰り返しでうまくいきますよ。
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今回は以上です。