今回は、少年野球指導者の
強いチームを相手にすると、全然勝てない...
ウチは、守備に自信のある選手が少ない...
どのポジションに重点を置けばいいの?
限られた戦力、どのポジションを優先的に決めればいいの?
といった悩みの解決に役立つ記事です。
結論は、「優先すべきは『サード』」です。
「え?ピッチャーでしょ!キャッチャーでしょ!」
と思った、そこのあなた。
その通りです。笑
もはや、そこは大前提です。
大前提の次の段階として、相手がそこそこ強いことをイメージしてください。
おそらく相手バッターの三振の数は減り、一定方向に打球を飛ばしてきます。
そして、その打球の行方の3~4割が...、そう!サードなんです!
少年野球の公式戦は基本6イニング *2022年から6イニング制になりました
つまり、18個のアウトのうち3~4割(5~7守備機会)の打球を、サードが全てアウトにできれば...。
たとえ味方投手の球速が遅くても、強敵相手に勝つのは、夢ではありません。*私の実体験です。
今回は、少年野球における「打撃が良いチーム」の正体と、「強敵相手なら、サードが重要性ナンバー1」である理由を説明していきます。
*あくまで個人的な意見ですので、その点をご了承ください。
「バッティングが良い」チームの正体
少年野球でも、
「あのチームはバッティングいいぞ~」
「あのチームはよく打つぞ~」
と言われるチーム、ありますよね?
このチームの特徴って、だいたいが
「バッティングが良い」チームの特徴
・バッティングに自信がある(だけ)
・自信があるから打ちたがり
・スイングは強いので、打球が多少速い
・当てるのは上手いので、三振は少ない
・速い球でも強く振って、当ててくる
・当たれば「何か(主にエラー)が起きる」と思ってる
・意外と、遅い球に弱い
という共通点があります。
「本当にバッティングがスゴイのか?」というと、バッティングがスゴイ選手って、多くて1チームに2~3人(1番・3番・4番)程度じゃないですか?
実際は、全体を通してみれば大したことない。
これが少年野球での「バッティングが良いチーム」の正体です。
最も「アウトをとれる選手」をサードに起用する
ということで、バッティングがスゴイと言われている(だけの)チームなら、サードに上手い(=アウトをとれる)選手を起用するのがベストです。
強烈な打球が多いことから「ホットコーナー」とも言われるサード。
しかし、私自身もサード守備の経験が長くありますが「痛烈な打球が何発も来る」っていう試合は、少ないです。
私自身、少年野球時代にサード守ってて相手に言われてました。
しかし、公式戦ノーエラーだったので
毎回相手を「あるよ!ある...(無かった~)」と消沈させるのが愉快でした。笑ちなみに、私の身の回りでは「何かある!(だから走っとけ)」が多いです
エラーに限定せず、予期せぬ何か、です。 https://t.co/YiMf0DrfF5
— まっちー@少年野球コーチしたくて脱サラした32歳 (@Smatch30) June 28, 2021
ただし、ガンガン振ってくる(しかも当ててくる)ので、やっぱりサードは忙しくなります。笑
難しい打球はあまり来ないので、平凡な当たりを淡々と処理していければ、それで十分。
淡々と処理することが、試合終盤、相手を大いに苦しめることになるんです。
どういうことか?
だんだんプレッシャーになる
想像してみてください。
少年野球の試合で、打ち損じた打球を、相手のサードがことごとくアウトにしている状況。
バッターは、
「良い打球を打たなきゃ!」
「引っ張っちゃダメだ!」
と感じ始め、焦りを生み、気負い・プレッシャーへと変わっていきます。
気負い・プレッシャーは伝染し、重苦しい雰囲気になるんです。
加えて、相手チームに「1点」「2点」と得点を重ねられたら、ますます焦りますよね?
相手を焦らせるのに、特別なプレーは必要ありません。
「淡々としたプレー」が対戦相手を苦しめるんです。
送球は安定させたい
サードを守る選手だけではありませんが、やはり送球は安定させておきたいですよね。
とはいえ、「送球(スローイング)って、どう鍛えればいいの?」「正しいフォームは?」といった悩みや疑問をもつ人もいるかもしれません。
そんな方は、よかったらこちらの記事をご覧ください。
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【簡単に実践できます】正しいフォームを身につける方法とは?
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もうひとつ重要なこと
サードに多く打たせるために、重要なことがあります。
それは、ピッチャーが遅いボールを武器にすることです。
速い球は簡単に打たれる
もちろん、「全球遅い球で勝負!」と言いたいのではありません。
要は、いくら速い球が投げられても、強いチームの子どもたちって簡単に打ち返しちゃうんですよ。
理由は、
・バッティングセンターなど、普段から速球に慣れてる
・複合バットで軽く当てれば、打球はぶっ飛んでいく
私は複合バットのことを「大嫌い・否定派です」と公言しています。
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【複合バット否定派】お子さんのバット選びのポイントたった1つ
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しかし、ルールで認められてますから、今後もほとんどの選手が使うんだと思います。 *大物になりたい小中学生は、複合バットは捨てるべきです
ということで、速球だけだと簡単に打たれちゃいます。
それに、せっかくサードに上手な選手を置いても守備機会が減ったらもったいないですよね。
ということで、遅い球がオススメ!
遅い球は強力な武器になる
遅い球って練習する機会が少ないからか、強いチームでも手こずるんですよね。
おまけに、「遅い!打てる!」なんてリキんでくれたら、打ち取ったも同然!
そこに、時々速い球(全力に近い投球のことです)を織り交ぜたらどうなるか。
バッターは、
・遅い球で、目線(アゴ)が上がりやすくなる
・「次は遅いの?速いの?どっち?」って迷う
・速い球に、目が慣れない
という状態になりますから、ますます打たれにくくなります!
しかも、遅い球って体力を使わずに投げられるんで、スタミナ温存もできるんです。
かなり効果的な武器ですよね。
ちなみに、2022年のマクドナルド・トーナメント(全国大会)で優勝した「中条ブルーインパルス」も、スローボールを効果的に使って勝ち進んだそうです。
こちらの記事に詳細が載ってます。*「Full-Count」のサイトにリンクします
準備は不可欠
とはいえ遅い球って、狙ったところに投げるの難しいです。
ですから、
・普段のキャッチボール
・投球練習
といったメニューで準備しておけば、本番も怖くありません。
「遅い球主体で、時々速い球も使う」なんていう練習もしておけば、バッチリです。
盗塁されちゃうんじゃ?
「遅い球主体だと盗塁されるんじゃ?」って心配になりますよね。
もちろん、盗塁阻止率は下がります。
なので盗塁されるのは、覚悟しなければなりません。
裏を返せば…?
相手は積極的にスタートを切ってきます。
対策には、これを利用しましょう。
「牽制」です。
相手は積極的にスタートを切ってくるんですから、牽制で「逆をつく」ことができる可能性が増えます。
牽制の練習は、毎回メニューで組まなくても、普段のキャッチボールで応用できるはずです。
慣れないピッチャーも、反復すればきっと上達します。
何にでもいえますが、準備とそのための工夫をしてみましょう!
【まとめ】限られた戦力でも強者と互角に戦える!
もちろん、他のポジションだって重要です。
全ての守備位置が鉄壁なら言うことありません。
とはいえ、少年野球の世界で毎年守備を鉄壁にするのは難しいですよね。
だからこそ、優先的に決めるべきは「サード」という答えに行き着きます。
今回のポイント
少年野球の「打撃が良いチーム」の正体 *右バッターが多い場合
・バッティングに自信がある(だけ)
・打ちたがり(なだけ)
・スイングは強いので、打球が多少速い
・三振が少ない
・速い球でも強く振って、当ててくる
・意外と、遅い球に弱いから、ピッチャーは遅い球を武器にしよう!
結果、ウチ損ないのサードゴロ/フライが多いです。
それを着実にアウトにできる選手がいれば、締まった試合に持ち込めます。
少ない人数、限られた戦力でも戦うことはできるんです!
監督/コーチの手腕で、それまで自信を持てなかったチームも、強敵と渡り合えるチームに導きましょう!
今回は以上です。