
少年野球コーチ歴:4年目
指導者資格:JSPO公認「コーチングアシスタント」「軟式野球コーチ1」
コーチの勉強をするうちに、心理学・マーケティングにも関心をもつようになりました
今回は、少年野球・スポ少で野球指導をする人や子育て中の親御さんの
「褒めて伸ばす」って正しいの?
コーチングって褒めるだけでいいのかな?
選手を褒めて育てているけど、なんか上手くいってない
といった悩みの解決に役立つ記事です。
結論として、「褒めるというのは、デメリットがあります。コーチングには〇〇づけることが必要」ということです。
・褒めることの何がデメリットなのか?
・〇〇づけるって何?
それを知ることで、今までなんとなくやっていたコーチングの方法が、明確なものになるかもしれません。
「できる/できない」しか選択肢がない
野球の試合で、エラーをしたり三振したり監督コーチに叱られたとき、「ガクン」と落ち込んでしまう子って、多いですよね。
学校のテストでも、点数だけで一喜一憂する子がいます。
それを見て、結果や点数よりも大切なことがあるよ、と伝えてもイマイチ響かない子って多くないですか?*少なくとも私が接する子どもたちは、そういう子が多いです。
このように目先の結果や点数に縛られてしまう子の特徴として、「間違った褒められ方をされてきた」可能性が挙げられます。
やり方次第では「褒める」は逆効果
子どもたちは、褒められると喜びます。
その喜びの深層心理は親や先生、野球なら監督コーチから「価値がある存在だと思ってもらえた」という喜びです。
「優秀」「できる奴」「賢い」=「価値がある」と評価されて(そう思い込んで)嬉しいんです。
ひねくれた考え方だと思われるかもしれませんが、かなりの割合であてはまると思います。
では失敗したら?
失敗したときの、子どもたちにありがちな心理がこれです。
失敗時の心理
失敗しちゃった(汗)
→親や指導者から評価してもらえない
→「ダメな子、できない子」と思われそう
→そんなの嫌だ
→もう失敗したくない
→だから挑戦するのは嫌だ
→無難なプレーだけでいい
失敗=否定すべきもの、ネガティブなものになってしまいます。
こうなると、褒められることしかやらなくなり、閉鎖的な考え方に陥ってしまうパターンになりかねません。
これが、失敗を極度に避けたがる子どもの心理です。
挑戦することに消極的になる
成功すれば褒められる。
一方で、失敗=成功しなければ褒められない=認めてもらえない。
成功しなければ、子どもたちにとって「大人から存在を認めてもらえない」という恐怖につながります。
失敗したくないから挑戦しない
挑戦しなければ失敗しないで済む
こうして、消極的な子どもを量産してしまうんです。
やたらと比べたがる(ランク付けしたがる)
褒められ続けることの弊害もあります。
最初は単純に嬉しいんですが、徐々に「自分は特別」「自分はスゴイ」という思考が増長され、
やがて「自分がチーム内で上位・トップ」、つまり他人と自分を比べるという悪習慣が根付くんです。
自分より褒められる選手を「自分より優秀な選手」、自分より褒められない選手を「自分より劣る選手」と、勝手にランク付けします。
ランク付けの悪習慣は、マジでタチが悪いです。
見下してるうちは、気分が良いでしょう。
しかし、突如として比較にならないほど自分より優れた存在が現れたら…?
「どうせ自分は…」という固定イメージになってしまい、挑戦への意欲も生まれず、すぐ諦める子になりかねません。
伸び盛りであり、今後も伸びて変化し続ける子どもたち。
そんな子どもたちに、ランク付けや比較なんて不要、というかナンセンス!
むやみに褒めることは「ランク付け」という歪みを生むことになり得るんです。
「できるようになる/できるかもしれない,etc」があるはず
「できるからOK/できないからNG」そんなわけがありませんよね。
目指すべきはココ!
子どもたちは
・できるように努力すること
・「できるかもしれない」と思い挑戦すること
・努力/挑戦への意欲を持つこと
指導者は、ここを意識して指導するべきです。
必ずしも褒める必要はないんです。
「褒める」ではなく、「勇気づける」
「褒めるのがダメなら、どうすりゃいいの?」
と思うかもしれません。
必要なのは「勇気づける」ことです。
褒めるとか、叱るとかじゃなく、勇気づけることです。
勇気づけをどのようにして行えば良いでしょうか?
まず、積極的な失敗や変化に気づくこと
分かりやすいのが守備練習。
監督コーチに「前に出よう」と言われて、勇気を出して前に出たけど打球をはじいてしまった選手がいたとします。
そんな「やっぱりうまくいかない」と落ち込む選手に私がやっている言葉がけは

前に出ようとしたじゃないか!
その勇気が次の一歩を生むんだ!
大丈夫、努力し続ければできるようになる!
こんな感じです。
この言葉がけのねらいは、
子どもたちに
やればできるんだ!
できるようになる為の努力をすればいいんだ!
という勇気を植え付けることです。
「できた/できなかった」ではありません。
目に見えない部分ですが、姿勢・意気込み・考え方に着目します。
これが、選手の次への意欲=勇気につながるんです。
断言します。
少年野球の時点での上手い/下手、そんなのど〜でもいいです。
少年野球・スポ少は、努力することや挑戦し続ける勇気の素晴らしさを学ぶ場であるべきだと考えます。
まとめ
今回のポイント
・安直な「褒める」はデメリットがある
・「できる/できない」以外にも「できるようになる/できるかもしれない,etc」という選択肢があることを、子どもたちに知ってもらいたい
・「褒める」は、「できる/できない」を断じさせてしまう危険性がある
・「褒める」ではなく、「勇気づける」
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今回は以上です。