今回の記事は少年野球に携わる大人の、
子どもの投げ方を上達させたい
正しい投げ方を知りたい
どうやって子どもにフォーム・投げ方って教えたらいいの?
といった悩みの解決に役立つ記事です。
この記事を書いているのは、

・そのチームのヘッドコーチ:2022年〜
・指導者資格:JSPO公認の資格を2つ保有
・故障歴:高校時代、内野手なのに肘を故障
・現在:投げ方の見直しに成功
そんな私なりに導き出した答えを、記事にしました。
今回の結論は、「正しい投げ方を引き出しましょう」ということです。
教えるのではありません。
引き出すんです。
引き出す方法と、ちまたに出回っている「投げ方」について、それを教えることの弊害についてお伝えしていきます。
それ、子どもに教えます?
「正しい投げ方」「フォームの作り方」が紹介されています。
それって実際、正しいと思うんです。
しかし、ちょっと待っていただきたい!
それ、そのまま子どもに教えます?
6〜10歳前後の子どもに、
「両肩は水平に…」
「グローブ側の手は…」
「トップを作って…」
こんな説明したって、子どもには伝わりません。
子どもの目線で考える⇨【正しさ<楽しさ】
子どもの立場になって考えましょう。
始めたての彼らが思ってることって「(よく分かんないけど)ボール投げるの楽しい!」っていう程度です。
そこに、例の「両肩は水平に…」とか言われたって、6~10歳前後はよく分かりません。
そして、きっと思うんですよ。
「なんか難しい」「なんか、つまらない」
と、感じます。
すると、成長はスピードダウン、あるいはストップしてしまいます。
たとえ正しい内容であっても、逆効果になり得るんですよね。
ということで、【正しさ<楽しさ】と考えます。
楽しくても、狙いから外れたり、届かなかったり、スピードが遅かったりすれば、「なんとかしたい!」って思うんですよ。
で、「なんとかしたい!」から工夫が生まれます。
子どもは大なり小なり、負けず嫌いですから。
お父さんたちはどうやって上達したか?
ある程度(またはそれ以上)技術があるお父さんや監督・コーチへ。
皆さんは幼少期、投げ方を教わりましたか?
「教わったけど、よく覚えてない。笑」
「覚えてないけど、気づいたら投げられてた」って答えが多いはずなんです。
それに、野球って「楽しかった」または「(いま)楽しい」ですよね?
結局のところ、投げ方って「自然と・次第に」身に付きます。
自分なりに、工夫して・考えて・誰かをマネして、気づいたら上達しているんです。
今の子どもたちも一緒です。
「投げるのが楽しい」からこそ、「自然と・次第に」上達していくと考えます。
野球をするうえで最も頼るべきもの
投げ方に限らず、野球をするうえで最も頼りになるものってなんでしょう?
ズバリ、自分自身の感覚です。
打つ時・守る時の「間合いのとり方」「足の使い方」
投球時・送球時の「指先」「ちから加減」
走塁時「スタート」「間に合う?間に合わない?」
ありとあらゆる『感覚』が求められます。
感覚を磨くためにも、自分なりに工夫して・考えて・時には誰かのマネをして、が重要です。
そして、子どもたちの「自分なりに…」を引き出す環境を提供する。
それが大人の役割じゃないでしょうか。
教わるのも大事。だけど順番的には後。
もちろん、教わることも時には必要だと思うんです。
私自身、野球に限らず教えてもらわないと困る場面ってあります。
そこで思うのが、「教わる・教える」に重要なのって、タイミングなんですよね。
教わる側に知識欲がないと、貴重な教えでも響かなかったりします。
少年野球なら子どもたちから「知りたい」「教えて欲しい」が引き出せたら、教えるのが有効になってくるんです。
「正しい投げ方」を引き出す方法
ここまでの内容から、
「じゃあ、大人は何もするなってこと?」と思うかもしれません。
それに対する答えは「環境を作りましょう!」です。
環境って何か?
今回の「投げ方」を例にすると、
・子どもたちが「投げるの楽しい」って思える環境
・子どもたちが「もっと遠くに・上手(正確)に・速いのを投げたい」って思える環境
・適切なメニューやギア(道具)
が挙げられます。
環境=周囲の大人は楽しそう?
子どもたちは、あなたを含む周囲の大人を観察しています。
その大人を見て「楽しそうだな」と思えば、自然と前のめりになって取り組むものです。
さらに、「あの大人スゲー!」「うちのお父さんスゲー!」「あんな風に投げてみたい」と思わせたら、環境づくりは100点じゃないでしょうか。
適切なメニューやギア
100点をさらに上積みしてくれるのが、メニューやギア(道具)です。
例えば「スローイング全般を良くしたい」という課題があったとします。
私だったら「遠くに向かって、カラダを目一杯使って投げる」メニューを考えます。
さらにスピードガンを用意し、速度を測りますね。
理由を挙げ出すと、長くなるので割愛しますが、子どもたちは「楽しく」でも「ムキになって」練習に取り組むはずです。
この「ムキになる」がポイントで、もちろんムキになったって良い結果にはなりません。
でもここから、自分なりの「なぜ?どうして?どうやったら?」を引き出せるんです。
もちろん、やり過ぎはケガにつながるので、時間や量は配慮します。
適切なギアの一例
「正しい投げ方を身につけてほしい」
「ケガは回避したい」
そのために、カラダを大きく使って投げる必要があると思うんです。
そこでオススメなギアが「ジャベリン(矢)」です。
オリックスバファローズの山本投手が使っていることで有名になりました。
でも、あれを子どもたちにそのまま使わせるのは危険です。
山本投手本人も「見よう見まねだとケガすると思います」って公言してるくらいなんで。*number Web 山本投手本人へのインタビュー記事(2021年4月掲載)
でも、安全にさえ使えれば、すごく良い練習なんですよ。
そこでオススメのジャベリンが、これです。
発泡ポリエチレンで作られてるので、軽いし柔らかいです。
で、これを遠くに投げるためにはコツが要ります。
実際に、ウチのチームでも使っており、その映像がこちらです。
この小学1年生選手。
最初は苦戦してましたが、自分なりに工夫して投げられるようになりました。
なにより、楽しそうなんですよ。
彼に限らず、みんな夢中になってやっています。
もし一生懸命教えても、「なんか難しいな」「おもしろくないな」ってなるのはツラいです。
だったら、遊び感覚なのに自然と正しいフォームが身に付くギアを使って、「自分なりに…」の考え方も身につけられる。
そんな環境を提供できたら、理想的ですよね。
ちなみに、このギアはAmazonで買えます。
まとめ
今回のポイント
・たとえ「正しいフォーム」であったとしても、教えることに疑問
・頼るべきは、子ども自身の感覚
・子どもの感覚を引き出すことが重要
・感覚を引き出せる環境を作ってあげましょう
今回は(今回に限りませんが)、お子さんが「本当の意味で成長できるか?」という視点で記事にさせていただきました。
このブログが、野球を通して「伸びる(伸び続ける)選手」のお手伝いになれればと思います。
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今回は以上です。