野球選手のスローイングを評価するときに「いい球だ」とか「綺麗なまっすぐ」「球質がいい」といった表現が使われることがあります。
また、投げ方についても「投げ方がいい」「フォームが綺麗」その反対で「球筋が汚い」とか「フォームが悪い」「無駄が多い」「あの投げ方だと(たぶん)ケガするぞ」などと評価される選手もいます。
ただ私個人の感覚的には、上記の内容を詳しく説明できる人は少ないです。
説明したとしても「なにそれ?」と首を傾げたくなる内容もちらほら…。
ということで今回は野球における「いい投げ方ってなに?」「いいボールってなに?」といった疑問に対する私なりの考えをご説明していきます。
実際に地元の「野球塾」で説明している内容です。
自己紹介
新潟県上越市出身で1988年生まれ、小学1年から高校3年まで野球をやってました。
・2024年から野球をメインにしたパーソナルトレーナーとして活動
・2019年1月〜2023年5月まで学童野球チームのコーチ
・資格「軟式野球コーチ1」「NSCAーCPT」など
2024年11月からは、地元上越市にあるNPO法人上越スポーツラボDEWが運営する「野球塾」でメイン講師をさせていただいてます。
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野球に関しては高校時代の肘のケガ(控え内野手だったのに)、フリーター時代に神宮球場でグラウンド整備の仕事を通して5年間ハイレベルな野球に触れ、約4年半の学童野球コーチなど、多くの経験をしたことで考え方が形成されました。
「いい球」ってどんな球?
「いい球」ですが、これはボールのスピン(回転)が多い球と定義して良いと思います。
スピンが多く効いていると、投じられたボールは沈みにくく「糸を引くような」綺麗な軌道を描きます。
ガムシャラに腕を振ってもボールの回転数は上がりません。
目指したいのは軽く腕を振っている(他人からはそう見える)投げ方で、どこまでも伸び上がる・浮き上がる軌道のボールを投げたいですね。
しかしそれはあくまで「送球」の話。
「投球」となると、もう少し奥めいた話になってきます。
投球の場合
投球と送球の違いがわからない方へ。
ピッチャー(投手)が投げてストライク・ボール(ファール)判定が出るものを投球、それ以外のスローイングは全て送球と考えてください。
決定的な違いは送球が「相手(仲間)が捕りやすい球」を理想とするのに対し投球は「相手(対戦打者)に打たれにくい球」を理想とするので、先述の「いい球」が求められるかというと難しいところです。
とはいえ、投手は試合となれば投球も送球(牽制・打球処理)も必要なこと、速球を磨くに越したことはない=ボールの回転数を意識して損はないことから「いい球」を探求することをオススメします!
ちなみに甲子園に出場するような強豪校のピッチャーでも「投球はすごいけど、送球がダメだな」という選手がいるんです。*2024年夏の話です。
そのピッチャーは、ヒットをほとんど打たれてないのに相手のバントにうまく対応できず大量失点していました。
投げ方が良いとどうなる?
投げ方が良いことのメリットは
・腕が疲れにくい
・肩肘のケガを回避しやすくなる
といったところでしょうか。
「え、これだけ?」と思うかもしれません。
しかしいずれも重要であり、多くの野球選手が肩肘の痛みに苦しんでいることを考えると投げ方って大切だと感じます。
子供たちの「肘」を守るために、ようやく全国に広がりつつある「野球肘検診」
引用元:広尾晃のBaseball Diversity
腕に頼らない投げ方を身につけることで、投球や送球のミスが減ることも大いに期待できます。
正しい投げ方とは?
前置きが長くなってすみません。
ここから本題ですが「正しい投げ方」というよりも、リリース(ボールが指から離れる瞬間)が良ければ自然と正しいというより理想とするフォームに近づけます。
リリースを磨くトレーニングとして、私がオススメしているのが軽〜いボールでのスローイング練習です。
下の動画は、私が発泡スチロールのボールで投げ方の確認をしているものです。
リリースに関する内容はこちらの記事で詳述しているので、良かったらご覧ください!
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【野球初心者必見】投げ方の極意はこれ1つ!
続きを見る
また、腕に頼らないフォーム=体幹や下半身を使うことが求められます。
その内容については別記事にて解説する予定です。
まとめ
今回は野球選手の「いい投げ方」についてお伝えしました。
・良い投げ方だと腕が疲れにくく、ケガの回避に繋がる
・投球や送球のミスが減ることが期待できる
・いい投げ方を目指すなら、リリースと体幹/下半身の使い方がカギ
今回は以上です。